はじめに
ケアマネジャー更新研修の廃止
この言葉を国民民主党の玉木雄一郎代表が明文化したことで、ようやくケアマネジャーというものに政治が関心を持ち始めたのではないか。そう思っています。
地方議員として私自身もこの1年、このことを訴え続けています。
その中で、ケアマネの皆さんを始め多くの方に応援いただくとともに、おかしいのではないかというお叱りを受けることもありました。
多分研修廃止というのはそれくらい大きなキーワードだったのだと思います。
そこで少し整理したいと思います。
研修は必要です
山口、日和見やがった!
そんなことを言われそうですが、僕は最初から研修は必要という立ち位置です。
介護保険に関すること以外におおよそ社会を構成する全ての情報に精通し、様々なスキルを持ちつづけないといけないかつ一生涯ブラッシュアップし続けるべき職種だと思っているからです。
事実、社会資源の確率などいちケアマネでは難しいのでどうしたらと思っていたら立候補して議員になってました。社会資源の確率という研修で学んだことをより実現するためには議員になるのだって必要だと思ったからです。
ではなぜ、更新研修を廃止と訴えているのか。
そこには2つの理由がります
①更新研修廃止はケアマネジャーからあがったのニーズの1つ
Twitterで何人もがつぶやいていました。その中で特にお二人の思いが胸に刺さりました。
私だけの感覚ではなかったんだ。
これがニーズであればニーズを充足するためにアセスメントして考えていかなければいけない。
そう思いメールフォームを使って情報を集めていきました。
本当にこれはニーズなのか、それともしたくないだけなのか。
ケアマネジャーである以上、ニーズの裏に隠れたものをアセスメントしていくのは必須です。
そうやって見えたことが研修は必要と思うが、更新(研修)は不要だというものでした。
だったらニーズを叶えるために長期・短期目標、サービス内容を考えモニタリングしていかなければいけない。
こうやって更新研修廃止がそもそものニーズなのかどうか検討することから始めたんです。
②更新研修がかかえる矛盾(闇)を正さなければいけない
質を保証しなければとよく言われるけど、本当に質はあがっているのか。
狙いと実践と実証というKPIが見られていません。
少なくても受講者側にその効果が感じられていない。または感じさせられていないのがこの更新研修の大きな問題です。
そして研修内容。
一般の方から質を保証する研修受講が嫌ならケアマネをすべきでないとお叱りを受けたことがあります。
ただ渡されたPDFを音読するのを眺め続けるオンデマンド研修。考えてみようとその後何もない音も動きもなくなった画面をただ5〜15分見続ける、時々出てくる小テストは満点を取るまで繰り返されるものの、問題が少なく何度か適当に押していたら回答がわかってクリアできるクリックゲーム。
これが数万円を支払って行う研修の中身です。
きつい言葉で書くと「こんなのムダじゃね?」です
正直室の高い研修を実施したという成果だけを求めて行っているものに過ぎないと感じています。
この他にも色々あります。
そして出席の厳格化。
親が死んだくらいで休めない。休んでもいいけど次回また一からお金を払って受けてくださいという結果になります。
子供が熱を出した。
利用者さんから緊急エマージャンシーがはいった。
そんなの関係ない。はいまた次回ね!
僕はこういった仕組みそのものが、やった感を出すためだけの形骸化したものになっていると強く感じています。
だから研修は必要だけど、無意味な形だけのものになっている更新研修は廃止してしまえばいいと考えています。そもそも更新性は必要なのかという考えもありますが、まずはいま出てきたニーズとは別に考えるべき内容と思ってます。
ニーズを良く似てるからと一緒にするのは違うと質の高い更新研修で学びました。
だからここは分けて考えていきます。
そのうえで、既存の更新研修のあり方はなくすべきだと考え今後も訴え続けていきます。
準ケアマネの設置は、今の考えかたでは反対
まだ議事録が出ていないため、詳細な議論が見えないため、ニュースソースから紐解きます。
この検討会で人材確保について話が出たようです。
その時に準ケアマネにつての提案が出てきました。
■学士卒から取得できる「準ケアマネ」創設を
ケアマネジメント・オンライン
青森県立保健大学健康科学部社会福祉学科の工藤英明教授は、定められた国家資格を取得し、一定期間の勤務経験を経てからでないとケアマネの資格を取る事ができない現状の仕組みについて「1本しか養成ルートがないことが課題」と指摘。「一定程度、ルーティン化できるケアマネジメントを業務範囲とする『準ケアマネ』といえる資格を創設し、学士卒からその資格を取れるようにすることも検討してもよいのではないか」と提案した。
人材をどう確保していくかという協議だと1つの案として価値のある意見です。
ただ考えてほしいのは、1本しか要請ルートがないことが課題では無く、なぜケアマネになりたいという思いにならないのか、なぜやめてしまって復帰しないのかという深いところをアセスメントしなければいけません。
さらに前述したすでに現場から上がってきている「更新研修廃止」このニーズを検討しようとしない時点で、この検討会での話し合いは、ニーズから紐解くアセスメントを放棄した、サービス内容から考える(業界用語で右から作る)最も質の低いケアマネジメントをやっていることになります。
僕たちは質を高くするための研修で、このような計画はしてはいけないと何度も教えられました。
なぜ僕たちの今後を決める検討会で、こういった質が低いとされる手法で話し合ってるのでしょうか。
すべての提案はニーズを叶える第1歩でなければいけない
ニーズを検討しない検討会に未来はありません。なぜならばどれだけ素晴らしい意見を出しても、その先にニーズが叶う未来はないからです。
利用者(今回でいうとケアマネジャー)のニーズではなく、プランナーのニーズを満たすためのものになってませんか?
ぜひ検討会の委員の皆様に置かれましては、そこを意識して考えてほしいと思います。
それぞれの提案からはありがたい!なんでだろうなどいろいろな感想を持ちました。
多面的な視点で検討されるのは嬉しいのですが、その先のニーズは誰のものであるのかを思い出してください。
ケアマネですか
それとも厚生労働省ですか
皆さんの見てる視線の先がケアマネジャーという利用者であることを切に願ってやみません。
当事者だからこそ中立であれ
ケアマネでも議員でも同じことが言えます
僕らは誰よりも当事者であり、誰よりも中立である必要があります。
その相反する立場を意識して中身をより深く議論しつつも、常に公平な第三者の視点でいることが求められます。
ついついニュースに反応してしまいがちですが、どうしても切り取られています。
できましたら気になる、おかしいと思うときはそのソース(検討会であれば議事録)をしっかり見返しながら短く切り取られたコメントの行間になにが語られているかを見ていってほしいと思います。
そうやって表面ではなく、言葉の裏に秘められたものを汲み取りながらアセスメントして、計画を作り実践していきましょう。
相手の言い分もしっかり受けとめつつ、では今できる短期目標はなにか、それを叶えるサービス内容はなにか
そうやって1つ1つニーズを叶える活動を、多くの皆さんとともに実践できればと思います。
検討会の委員のみなさんも、厚生労働省も研修実施団体も研修講師も敵ではありません。
別の立場から検討し合い大きな問題にともに取り組む仲間として、未来を考えていきたいと思います。
ぼくらの先にあるのは、最後は介護を必要とする国民であり、明日の家族であり、明日の自分自身です。
一緒に未来を作っていきましょう
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